TS-1 5クール目 第7日目 涙以外特になし
乳がん㉝ 母の死⑧
母の棺は霊柩車に収められ、火葬場へと行きました。私は他の人と一緒に、葬祭場が用意したバスで向かいました。心の中ではウィッグが落ちなくて良かったと安堵していました。母の死の哀しみより、ウィッグの方を気にするなんて不謹慎ですね。でも、どうしようもなかったんです。
火葬場に着くと、最後のお別れをして、母は焼却炉の中へ入っていきました。待っている間,従兄たちととりとめのない話をしていましたが、話の種も尽き、静かになりました。その日は、前日までの4月とは思えないほどの暑さとは一転して、少し寒さを感じました。火葬場の自動販売機もすでに、温かい飲み物はなく、冷たい飲み物だけでした。ときどき、誰かがボソッと言うと、誰かがそれに答えるという時間が静かに過ぎていきました。母は兄弟の末っ子でした。既に母の兄姉は亡くなっていて、これで母の兄弟姉妹は全員亡くなりました。次はここに集まっている私たち世代の番です。
やがて、係の人に母の焼却が終ったことを告げられ、お骨を拾いに行きました。お骨を拾う箸は長くて難しかったのが印象に残っています。
雑記㉘
谷村新司さんが亡くなったと報道されています。74歳だったそうです。まだまだ数年頑張ってもらいたかったです。一時代を築いた方だと思います。谷村さんの全盛期の時代は、インターネットもなく、全世代に知られていました。街を歩けば、お店に入れば当時の流行り歌が流れていました。知らず知らず、耳に届きました。今は、世代によって流行っている楽曲がかなりはっきり違いますね。自分から楽曲を探しに行かなければ耳にとどかないことがあります。
世代間の分裂が激しくなっているような気がします。あれから、インターネットが出てきて、かなり変わりました。年月をかけて得た技術もダイレクトにウェブから手に入るようになりました。随分便利になり、私も助かっています。これからもっと変わっていくと思います。まず、技術が進んで、それに従って人々のマインドも徐々に変わってきているのを肌で感じます。時代の変遷を見るのは楽しみです。不安もあるけれど、期待の方が大きいようです。
今、一番楽しいのは、インターネットで、専門家、一般の人に関係なくたくさんの人の考えや主張を聞くことができることです。前は、TVや新聞、ラジオから一方的に流される情報しかなかったので、微妙な問題について周りの人と話すことは憚られることもありました。現在は、いろんな人の裸の気持ちを見られます。さらに、真偽の見分け方も勉強したいと思います。
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